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トップページ > 支部表彰 > 平成29年度 受賞業績紹介

平成29年度 地盤工学会東北支部表彰

掲載日:2018年4月27日(金)
最終更新日:2018年5月1日(火)

地盤工学会東北支部では,地盤工学に関する身近で地域に密着した事業・研究等を通じ,会員の専門技術力の向上,調査・設計・施工等の効率化・レベルの向上,地盤工学のPR・イメージ向上などに貢献した優れた業績を毎年度表彰しております。表彰候補の公募を行い,地盤工学フォーラムでの発表と応募書類に基づき表彰委員会において審査を行い,受賞者を決定します。例年4月に開催される東北支部総会で表彰式が行われ,受賞者には表彰状と記念品が贈呈されます。

平成29年度は以下の通り授賞を行いました。その業績をここに紹介します。

平成29年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門)
  • 支部賞(最優秀賞)  1件
  • 支部賞  2件
(それぞれ順不同で掲載しております。
(参考) 歴代受賞業績紹介募集要項,表彰規定等

平成29年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞(最優秀賞)

12段長大切土におけるのり面の長期安定対策工

受賞者:沖原 穂高(東日本高速道路株式会社 山形工事事務所)
早川 正城(東日本高速道路株式会社 山形工事事務所)
斉藤 亮祐(株式会社奥村組 上山インター工事所)
今泉 和俊(株式会社奥村組 技術研究所)
菅原 千尋(東日本高速道路株式会社 東北支社)

東北中央自動車道 南陽高畠〜山形上山間における堂満山の長大切土は,最大12段ののり面であり,地質は新第三紀中新世の凝灰岩を主体とし泥岩を挟在する。

第三紀の泥岩や凝灰岩は,掘削時には硬く安定したのり面であっても時間の経過と共に急速に風化が進み,表層が崩壊することが多いため地質や施工状況に合わせて,対策工を検討し現場に反映させた。

  • 当初はゆるみ領域のみ密閉型吹付枠工・切土補強土工を計画していたが,実際掘削してみると亀裂の発達が著しく,切土補強土工範囲を拡大するとともに,のり枠内の植生は全て密閉型(コンクリート吹付け)に変更した。
  • 調査ボーリングを追加し,ボーリング孔を利用した多段式傾斜計による動態観測,地下水位観測により施工中ののり面状況を把握した。
  • 地下水位観測および融雪期の湧水状況等の結果,地下水は亀裂に沿って網目状に流れるのではなく,地山中の限られた水みちを流れていることが判明し,より効率的な水抜き工の施工範囲,位置を再検討し施工した。

これらの取組により,施工中に変状を生じることなく,長期的に安定性の優れたのり面を構築することができた。


写真1: 12段長大切土施工状況
2段目掘削途中(平成29年7月撮影).
図をクリックすると拡大します。


図1: 堂満山の地質構造および地下水分布の3次元モデル
視点は12段切土の北方上空.地形データは非表示.
図をクリックすると拡大します。


平成29年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

女川原子力発電所取水口における捨石層直下の地盤改良の実施について

受賞者:浜本 洋(東北電力株式会社 女川原子力発電所)
今泉 忠徳朗(東北電力株式会社 女川原子力発電所)
鈴木 昭浩(前田建設工業株式会社 女川原子力作業所)
竹岡 正二(前田建設工業株式会社 女川原子力作業所)

東北電力(株)女川原子力発電所では,既設設備の耐震性強化を目的とした安全対策工事を実施している。非常時の取水機能を担う取水口については,設計用地震動に対して耐震裕度を確保するため,地震時増分土圧低減を目的として,地盤改良工事を実施した。

地盤改良の仕様は,取水口躯体から21mの範囲において高圧噴射攪拌工(約11,600m3,GL-6m以深の砂質土を対象),取水口躯体の近傍はGL-6m以浅から地表までコンクリート置換(約2,000m3)とした。

本施工の課題として,高圧噴射攪拌工の範囲上部に捨石式傾斜堤(廃止設備)が埋設されており,施工時に捨石層の崩落が懸念された。そのため,薬液注入により捨石層を固化する崩落防止工を実施した。

また,施工上の配慮として,既設タイロッドや想定外の埋設物確認のための音響トモグラフィ探査・試掘による支障物調査の実施,海域への改良材リーク防止のための薬液注入,水質汚濁防止膜の設置を行った。

以上の対策により,施工品質の確保を図った。


図1: 地盤改良断面図
図をクリックすると拡大します。


写真1: 施工機械設置状況
図をクリックすると拡大します。


平成29年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

地中障害物が存在する防潮堤の地盤改良(深層混合処理工法)施工例

受賞者:沼部 聡一(五洋建設株式会社 東北支店)
飯田 陽朗(ライト工業株式会社 本社)
石黒 勇次(ライト工業株式会社 東北総括支店)
佐々木 慎司(ライト工業株式会社 東北総括支店)

本工事は,宮城県発注の「平成26年度中島地区海岸外災害復旧工事(その2)」で,気仙沼市中島地区に,延長約1.7kmの防潮堤を築造する。

基礎地盤が軟弱な区間では,すべり破壊,沈下,液状化対策として地盤改良(深層混合処理工法・RASコラム工法)が計画された。

事前追加調査の結果,想定よりも礫質層が厚く,津波により原地盤が浸食され,土砂以外の流入物(障害物)も混入していた。

地盤改良が施工困難となった場合の対策として,地下水の影響を受けない箇所はバックホウによる障害物撤去,障害物が深く広範囲に混入している箇所は全周回転式オールケーシング工法による障害物撤去,障害物が少ない箇所は地盤改良体の増し打ちを事前に選定し,施工を開始した。

その結果,海岸部の施工困難本数は90本で,全周回転式オールケーシング工法で障害物を撤去し再施工した。また,河川部の施工困難本数は14本で,改良体と堤体の安定照査を行い,30本の増し打ち施工した。

施工はスムーズに対応でき,事後調査では要求品質を満足していることが確認できた。


写真1: 中島地区海岸防潮堤全景
図をクリックすると拡大します。


写真2: 地盤改良(RASコラム工法)施工状況
図をクリックすると拡大します。



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