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掲載日:2013年4月11日(木)
最終更新日:2013年9月2日(月)
地盤工学会東北支部では,地盤工学に関する身近で地域に密着した事業・研究等を通じ,
会員の専門技術力の向上,調査・設計・施工等の効率化・レベルの向上,
地盤工学のPR・イメージ向上などに貢献した優れた業績を毎年度表彰しております. 表彰候補の公募を行い,地盤工学フォーラムでの発表と 応募書類に基づき表彰委員会において審査を行い,受賞者を決定します. 例年4月頃に開催される東北支部総会で表彰式が行われ, 受賞者には表彰状と記念品が贈呈されます. 平成24年度は,以下の通り授賞を行いました.その業績をここに紹介します. 平成24年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門)
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(参考)歴代授賞業績・表彰規定等
受賞者: | 小松順一 | (奥山ボーリング株式会社) |
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藤井 登 | (奥山ボーリング株式会社) | |
村岡 洋 | (奥山ボーリング株式会社) | |
佐藤直行 | (一般財団法人 砂防・地すべり技術センター) | |
和賀征樹 | (奥山ボーリング株式会社) |
受賞者: | 佐藤 勉 | (東日本高速道路株式会社 相馬工事事務所) |
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植本直之 | (東日本高速道路株式会社 函館工事事務所) | |
三苫 寛 | (ジオテックコンサルタンツ株式会社) |
受賞者: | 柳橋淳市 | (東北電力株式会社 原町火力発電所土木G) |
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南場浩二 | (東北電力株式会社 原町火力発電所土木G) | |
足立有史 | (株式会社 間組 土木事業本部) | |
佐々木寛典 | (株式会社 東北開発コンサルタント 土木設計部) |
原町火力発電所は,平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震により,震度6弱の地震を観測するとともに13mを超える津波により甚大な被害を受けた.
そのうち,取放水管の可とう継手は,周辺地盤の液状化により性能許容値を超える偏心が発生し復旧を余儀なくされた. 取放水管復旧の検討にあたっては,津波による侵食の影響で地盤変状や液状化の痕跡等を正確に把握できなかったことから, 可とう継手の変状原因の分析と対策工の検討を目的に,詳細な地盤調査と地震動の事後推定をもとにした2次元FEM有効応力解析を実施した. その結果,可とう継手の変状原因を埋土の液状化によるものと判断した. また,液状化対策工の実施にあたっては,同規模地震に対し, 可とう継手の許容偏心量を満足する合理的な液状化対策工の設計と既設構造物に配慮した施工を行うことで,発電所の早期運転再開と安定運転に寄与した. 図1:2次元FEM有効応力解析による変形図および過剰間隙水圧比分布 |
(a) 発電所の津波被災状況 (b) 可とう継手の鉛直方向の偏心 写真1:被災状況写真 写真2:施工状況(浸透注入固化工法) |
受賞者: | 成瀬大祐 | (東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所) |
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鎌田卓朗 | (東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所) | |
池野誠司 | (東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所) |
仙石線多賀城駅前後区間の延長約1.8kmを高架化し,都市計画道路5箇所,市道4箇所の計9箇所において道路との交差が計画されている.
施工方法は,施工スペースが限られていることから,上下線分割施工としている. 高架化事業における地形上の特徴は,地形図から基盤線が起伏に富むことが予想された. そこで,下り線施工に向けた基礎形式の選定及び支持層の調査が本事業の課題であった. 【基礎形式の選定】 基礎形式は直接基礎ではなく,円柱断面基礎形式の大口径短杭を採用する検討を行った. この杭は,直接基礎に比べ基礎体積が小さい事,また仮土留めの替わりにライナープレートを用いたため,営業線への影響を小さく施工が可能となった. 【支持層の調査】 地質調査は,標準貫入試験と小型動的貫入試験の実施を検討した. 砂質土層,粘性土層どちらも中間層には特異点が見られたものの,両試験は,ほぼ同深度にて基盤線を確認したため,小型動的貫入試験を採用した. 以上の事から,平成24年4月に上下線が開通し,今年度中に駅部整備を完了する予定である. |
図1 図2 |
受賞者: | 渡邉敦宏 | (福島県いわき建設事務所) |
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中濱早苗 | (福島県いわき建設事務所) | |
中居英樹 | (応用地質株式会社 東北支社) | |
仙石昭栄 | (応用地質株式会社 東北支社) | |
丸山 圭 | (応用地質株式会社 東北支社) |
受賞者: | 小澤一喜 | (鹿島建設株式会社 技術研究所) |
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斉藤 広 | (鹿島建設株式会社 東北支店) | |
宮本卓郎 | (鹿島建設株式会社 東北支店) | |
中川克彦 | (宮古地区災害廃棄物破砕・選別等業務委託JV事務所) | |
豊田 毅 | (宮古地区災害廃棄物破砕・選別等業務委託JV事務所) | |
堀 克美 | (宮古地区災害廃棄物破砕・選別等業務委託JV事務所) | |
中西隆一郎 | (宮古地区災害廃棄物破砕・選別等業務委託JV事務所) |
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに付随して発生した津波により岩手県は沿岸部を中心に甚大な被害を受けた.
地震と津波により大規模な建物被害が生じたことから沿岸域を中心に大量の災害廃棄物が発生している.
災害廃棄物等(津波堆積物を含む)の総量は岩手県全体で525万tであり,そのうち,廃棄物は395万t,津波堆積物は130万tとなっている.
本稿で着目する宮古地区JVではこのうち,87万tを処理する予定である. 宮古地区JVは,田野畑村,岩泉町,宮古市の三市町村を対象として,破砕・選別等の中間処理を行っている. 処理対象となる廃棄物は粗選別,破砕,機械選別,人力選別等の過程を経て,最終的に,可燃物,不燃物,柱材・角材,コンクリートがら,金属くず,プラスチック類,分別土A(津波堆積物を分別した土砂),分別土B(不燃系混合物を破砕・選別した際に発生する土砂,1次仮置き場に集積された可燃系混合物をふるった際に発生した土砂),分別土C(可燃系混合物を破砕・選別した際に発生する土砂),その他(廃タイヤ,漁具・漁網等)に分別される. ここで,発生量の多い分別土Bは締め固め管理が比較的容易であり,せん断抵抗角が大きい等の性質から地盤材料としての再利用が見込まれる. しかし,分別土Bの再利用のためには,洗浄や高度選別により海水由来の塩化物イオン,フッ素,ホウ素を除去することや木類を取り除く事が求められる. 今後,これらの条件を考慮し,周辺の環境負荷を最小限とし,かつ,廃棄物として処分する量を低減できるような再利用法について検討し,早期に再利用を実現していきたいと考えている. 図1:分別土Bの三軸圧縮試験結果(CD条件) |
写真1:中間処理施設(藤原埠頭) 写真2:分別土B |