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平成22年度 地盤工学会東北支部表彰

掲載日:2011年5月25日(水)
最終更新日:2011年5月25日(水)

 地盤工学会東北支部では,地盤工学に関する身近で地域に密着した事業・研究等を通じ, 会員の専門技術力の向上,調査・設計・施工等の効率化・レベルの向上, 地盤工学のPR・イメージ向上などに貢献した優れた業績を毎年度表彰しております.
 表彰候補の公募を行い,地盤工学フォーラムでの発表と 応募書類に基づき表彰委員会において審査を行い,授賞者を決定します. 例年4月頃に開催される東北支部総会で表彰式が行われ, 授賞者には表彰状と記念品が贈呈されます.
 平成22年度は,以下の通り授賞を行いました.その業績をここに紹介します(順不同).

平成22年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門)
  • 最優秀賞 2件
  • 支部賞  3件

(参考)歴代の授賞業績・表彰規定等

平成22年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 最優秀賞

日本海沿岸東北自動車道大館−小坂間 大茂内第二トンネル及び雪沢第一トンネルにおける自然由来重金属含有掘削土処理に係る施工監理


受賞者:鈴木浩(国土交通省 東北地方整備局 能代河川国道事務所)
門間聖子(応用地質株式会社 東北支社 ジオテクニカルセンター)
中西壽美雄(応用地質株式会社 秋田支店)
細野哲久(応用地質株式会社 盛岡支店)
久木原峯隆(応用地質株式会社 盛岡支店)

 日本海沿岸東北自動車道大館北〜小坂間の大茂内第二トンネル及び雪沢第一トンネルにおいて自然由来重金属を含む掘削土処理に係る施工監理を行った.

 掘削土の処理要否は,切羽より水平先進ボーリングを行い,得られたコア試料の化学分析により先行区間の処理要否を予測し,切羽観察により先進ボーリングの地質と対比することで判定している. この判定の迅速化として,優先分析項目の絞込み,ならびに先進ボーリングコアによる判定区間の拡張(当初5〜10m→見直し後最大20m)に取り組んだ. これにより,重金属リスクを的確に把握しつつ,分析コストの縮減ならびに分析に要する工期の短縮を図った.

 また,環境保全に関する監理として,地下水,河川水の水質分析を行い,重金属が周辺環境に拡散していないことを監視した. また,施工の進捗に伴って逐次モニタリング地点の見直し(廃止・移動・新設等)を行い,常時最も有効な地点で重金属に関する監視が可能となるよう努めた.

図1:管理型盛土の構造(大館工区)
図をクリックすると拡大します.


図2:先進ボーリングコアにおいて同一の岩相が連続する例(水色枠が分析のために抽出する箇所)
図をクリックすると拡大します.

平成22年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 最優秀賞

荒砥沢ダム災害復旧に伴う,真空圧密工法による減容化を利用した調整池造成工事 −国内最大16万m2の真空圧密工法による地盤改良−


受賞者:鎌田知也(農林水産省 東北農政局)
竹谷喜代春(農林水産省 東北農政局)
加藤浩一(農林水産省 東北農政局)
岩崎孝道(清水・竹中土木建設工事共同企業体)
野崎俊介(清水・竹中土木建設工事共同企業体)
橋本隆(清水・竹中土木建設工事共同企業体)
波多野正邦(清水建設株式会社 東北支店)
豊田光明(丸山工業株式会社)
ニポン テイラチャイクルパ ニック(丸山工業株式会社)

 調整池造成工事は,平成20年6月14日に発生した「岩手・宮城内陸地震」により被災した荒砥沢ダムの利水容量の一部を回復するため代替調整池を新設するものである.

 調整池建設予定地は水田地帯であり,地盤は深さ約10〜17mの軟弱土層で中間に砂質土層が複雑に介在する. 本工事は,短期間で施工するため,真空圧密工法により地盤改良を行い,周囲に逆T擁壁と盛土により堤体を築造することとした.

 真空圧密工法は改良範囲を48ブロックに分割し48台の真空駆動装置により施工した. また,逆T擁壁部については盛土載荷工を併用した. 真空運転は平均79日間で完了し,最終圧密沈下量は一般部で平均118cm,盛土載荷部で平均160cmであった.

 3月11日の東北地方太平洋沖地震発生時には,逆T擁壁の設置と堤体盛土はほぼ完成した状態であったが,逆T擁壁については貯水機能に影響する変状はなく,大規模な被災には至っていない.

図1:調整池標準断面図
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図2:真空圧密工法イメージ図
図をクリックすると拡大します.

平成22年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

急速構築を目指した線路下横断構造物の設計施工 −奥羽本線 新青森こ道橋−


受賞者:佐藤拓也(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所)
古宮堅太郎(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所)
村上安二(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所)
坂本浩貴(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所)

 新青森こ道橋は,平城22年12月に開業した東北新幹線新青森駅と青森市街地を連絡する路線となっており,奥羽本線新青森・青森間で立体交差する. 当社では線路下および営業線近接範囲となる函体(総延長L = 64.8m)構築工事を行っており,施工内容としては,奥羽本線直下を横断するJES函体部の延長22.5m,RC函体部の延長42.3m,断面形状は片側2車線・両側歩道の幅員28.1m(3.0m×2,9.25m×2)となっている.

 線路下横断非開削工法の一つであるHEP & JES工法では,鋼製角形の上床版エレメントのけん引施工による軌道への影響を抑えるため夜間の線路閉鎖(列車を運行させない状態)作業が主体となるため,線路直下に刃口を留めた状態で列車を通過させないなどの工程,安全上の制約があった. また,函体の構造形式として中壁の数を少なくすることにより内空施工におけるステップ数を削減することで工程短縮,コストダウンを図った. このため,以下の二つの方策を検討し,実施工に反映させた.

(1) 線路を挟んだ両側の立坑から同時に2本のエレメントを牽引する方式を採用し,また,地盤条件より,掘進速度の速い高速型の機械掘削方式を導入した.

(2) 上床版の部材高を増して長大スパン化を図り,函体断面を4径間から2径間(中壁を3枚から1枚)に変更することにより施工ステップの削減を図った.

 以上により,平成22年度末に線路下横断構造物の構築は完了した.

写真1:施工状況(エレメント設置)


写真2:線路直下部掘削完了状況


写真3:完成した線路直下部函体

平成22年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

強変質地山における支保の変状対策と覆工補強(東北中央自動車道大笹生トンネル工事) −塑性地山における変状要因の調査と対策および対策効果の検証−


受賞者:大沼正浩(飛島建設株式会社 東日本土木支社)
小関均(飛島建設株式会社 東日本土木支社)
小川勲(飛島建設株式会社 東日本土木支社)
神宮将夫(飛島建設株式会社 東日本土木支社)
松元和伸(飛島建設株式会社 技術研究所)

 東北中央自動車道大笹生トンネル工事 (L=2,089m) では2区間 (126m, 290m) で,流紋岩や軽石凝灰岩の強変質地山が連続して出現し,地山や支保に変状が発生した. 地山は水による劣化が著しいこと,地山強度比が0.5程度と小さいことから,塑性地圧が変状の主因であると推察された. このため,切羽安定対策として,材齢10分で強度1.5N/mm2を確保できる鏡吹付けコンクリートを実施した. また,覆工にも後荷によるひび割れが複数箇所で発生したため,亜鉛メッキ鋼繊維補強コンクリート(国内初)によって覆工を補強した. 同時に,長期耐久性に優れたFBG光ファイバセンサを導入し,竣工後も継続してその補強効果を定量的にモニタリングできる体制を構築した.

 本工事施工中に遭遇した変状データ,対策の検討方法と実施,およびその効果検証体制は,今後の同種地質におけるトンネル工事において有益な情報になるものと考えられる.

写真1:トンネル坑口遠景


写真2:変状区間の切羽崩壊


写真3:覆工の変状

平成22年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

地震災害・市野々原地区避難勧告の早期解除に向けた治山対策


受賞者:小澤幸彦(岩手県 農林水産部 森林保全課)
梅村昭栄(県南広域振興局 一関農林振興センター)
柴崎達也(国土防災技術株式会社 技術本部)
佐藤達也(国土防災技術株式会社 盛岡支店)
熊谷智幸(社団法人 岩手県治山林道協会)

(業績概要 掲載準備中) (掲載準備中)
写真1:

(掲載準備中)
写真2:

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