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平成25年度 地盤工学会東北支部表彰

掲載日:2014年4月24日(木)
最終更新日:2014年10月31日(金)

 地盤工学会東北支部では,地盤工学に関する身近で地域に密着した事業・研究等を通じ, 会員の専門技術力の向上,調査・設計・施工等の効率化・レベルの向上, 地盤工学のPR・イメージ向上などに貢献した優れた業績を毎年度表彰しております.
 表彰候補の公募を行い,地盤工学フォーラムでの発表と 応募書類に基づき表彰委員会において審査を行い,受賞者を決定します. 例年4月頃に開催される東北支部総会で表彰式が行われ, 受賞者には表彰状と記念品が贈呈されます.
 平成25年度は,以下の通り授賞を行いました.その業績をここに紹介します.

平成25年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門)
  • 支部賞(最優秀賞)  1件
  • 支部賞(地域貢献)  1件
  • 支部賞           5件

(参考)歴代授賞業績・表彰規定等

平成25年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞(最優秀賞)

災害廃棄物や津波堆積物から分別した土砂分の処理技術と地盤工学的特性


受賞者:埜本雅春(株式会社奥村組 復興プロジェクト室)
大塚義一(株式会社奥村組 復興プロジェクト室)
大矢好洋(株式会社奥村組 復興プロジェクト室)
遠藤和人(独立行政法人 国立環境研究所)
肴倉宏史(独立行政法人 国立環境研究所)

 専門技術力の観点で,①災害廃棄物統合管理システムを開発し専門的で特異的な今回の災害廃棄物挙動の膨大(5万個超)重量データを取得,②被災地と仮置場での種類別の密度変化を明らかにし,トレーサビリティ技術の有効性を確認,③処理物の地域別での粒径分布や締固め特性を確認した.

 調査・設計・施工の効率化やレベル向上の観点で,④岩手県内の他地区での処理実績を比較・検討し,発生物の種類別全体重量に地域的な差があることを確認,⑤災害廃棄物における地盤工学上の諸課題を抽出,将来の巨大地震での災害時における調査・設計・施工段階での業務効率化に関する実務的で具体的な提案要素を抽出した.

 地盤工学のPRやイメージ向上の観点で,⑥岩手県等と東日本大震災対応調査研究委員会との連携で,岩手県が策定した“復興資材活用マニュアル”の監修に携わり,地盤工学に対する実務的有用性や地盤工学会のイメージ向上に繋げた,⑦複数地域の災害廃棄物(処理物)の土砂混合くず・ふるい下くずの粒径分布と締固め特性の実証試験を実施,処理物が第2種建設発生土相当の利用可能性があることを確認した.

 本報告では,処理事業を遂行する上での本質的な難しさを物理特性を含めた実証データにより,上記3つの観点で①から⑦を報告した.今後も更なるデータ収集・解析を進め,震災における処理業務の更なる業務効率化に寄与したい.

図1
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図2
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図3:土砂混合くず・ふるい下くずの締固め曲線
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平成25年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞(地域貢献)

米代川二ツ井左岸地区における地すべり機構検討・安定性評価の新たな手法


受賞者:小野輝明(国土交通省 東北地方整備局 能代河川国道事務所)
松田宏一(国土交通省 東北地方整備局 能代河川国道事務所)
太田史朗(川崎地質株式会社 北日本支社)
榊原信夫(川崎地質株式会社 北日本支社)
菅野孝美(川崎地質株式会社 事業本部)

 米代川二ツ井左岸地区の地すべりは,変動履歴が明らかでなく,末端が跳ね上がる特異な形状を示す初生地すべりである.

 活動停止中の岩盤地すべりの安定性評価は,現況地形の安全率をFS=1.1程度とし,逆算法により強度設定・安定解析を行うことが一般的である. しかし,当該地すべりでは,末端のすべり面が逆傾斜で初生すべり発生時に蓄積した応力が未だ残存・均衡している可能性が高いこと,また,河道掘削に伴う応力開放ですべり面強度の低下が懸念されることから,逆算法では,掘削後の地すべり安定性を適切に評価することは困難と判断された. このため,当該地すべりでは「地層構造や破砕状況に基づくすべり面の判定」「すべり面試料の吸水除荷一面せん断試験」「すべり面の性状に応じた強度のゾーニング」により工学モデルを設定し,「浸透流解析(超過確率降雨時の地下水位予測)」「三次元安定解析」「応力変形解析(掘削時の斜面安定性評価)」を組み合わせた総合的な斜面安定性評価を行った. これらは,既存技術の改良や組み合わせに基づくハイブリッド的な解析手法であるが,経験則(現況安全率・すべり面強度の設定等)が支配的であった従来の手法と比較し,地質特性と工学特性の関連が明確で,応力変化や未経験の降雨による斜面不安定化リスクを考慮出来る点で,有効な評価手法である.

図1:すべり面強度の断面分布
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図2:浸透流解析モデルの概要図
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図3:河道掘削時のひずみ分布と安定性評価
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平成25年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

造粒技術による災害廃棄物の再資源化(造粒再生砕石の開発)


受賞者:遠藤一正(清水建設株式会社)
太田美喜夫(清水建設株式会社)
和田隆丸(清水建設株式会社)
須々田嘉彦(清水建設株式会社)
栃山広幸(清水建設株式会社)

 南三陸町の震災廃棄物処理業務を通じて,災害廃棄物から発生する処理物のリサイクルとして,従来は埋め立て処分対象とされていた焼却主灰,土壌洗浄残渣,ガラス・カワラ・陶器片・石等の不燃物を造粒骨材として再資源化し,コンクリート塊を破砕した再生砕石と混合して新たな造粒再生砕石を製造する技術を開発・実用化した.

 造粒再生砕石は,路盤材,盛土材などに活用出来る材料規格値及び土壌汚染対策法に準拠した有害物質に対する基準を満足する.製造した造粒再生砕石は,すでに町内で駐車場の路盤材等に使用されている.

 今回の業務では,総量15万tにもおよぶ造粒再生砕石を製造した.被災地では今後道路や街づくり等の復興計画が早急にすすめられていくなかで,復興需要による建設資材不足が懸念される.災害廃棄物から再資源化されたこれらの資材は,復興事業の資材として,道路路盤材や嵩上げ用盛土材等に広く使用されていくことが期待される.

図1:造粒固化処理施設
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図2:南三陸町内活用事例
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平成25年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

東日本大震災に伴う津波の影響を受けた災害廃棄物の処理


受賞者:新開千弘(株式会社大林組 亘理廃棄物処理JV工事事務所)
佐藤祐輔(株式会社大林組 亘理廃棄物処理JV工事事務所)

 平成23年3月11日に発生した東日本大震災により生じた亘理町内での災害廃棄物は約46万t,津波堆積物は約38万tに及んだ.さらに,石巻市,気仙沼市および山元町からの災害廃棄物を受け入れ,平成26年1月末までにこれら全てを処理した.処理対象物は,混合ごみ,木くず,コンクリートくず等からなる災害廃棄物と,土砂分主体の津波堆積物である.混合ごみは,土砂分が多く混入しており,土砂の選別が不十分なまま可燃物を焼却すると焼却効率が低下し,焼却灰の発生量が増加する.不燃物についても,土砂の付着が多いと選別残渣が増え,最終処分量が増加する.

 そこで,混合ごみの中に含まれる可燃物と土砂の選別に重点を置いた設備の追加や処理フローの効率化を図ることで,選別残渣の発生量を抑制し,さらにその残渣を利用してアップサイクルブロックを製作した.その結果,災害廃棄物約100万tを破砕・選別および焼却処理し,再生資材として約84万tをリサイクルした結果,再資源化率は89%程度となり,最終処分量の大幅低減に貢献した.

図1:手選別による再資源化物,可燃物の回収
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図2:焼却炉(チェーンストーカ式 105トン/日×5炉)(混合ごみから回収した可燃物と木くず粗チップを焼却)
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平成25年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

船舶の着岸を妨げない地盤改良(高圧噴射撹拌工法)による岸壁補強工事


受賞者:小山輝男(株式会社丸本組)
豊田泰明(ライト工業株式会社)

 仙台塩釜港石巻港区・日和ふ頭は,35,000tクラスの大型貨物船が入港する重要港湾である. しかし,震災の影響もあり,大型貨物船が積荷を満載した状態では吃水が足りず入港することができない状態である.

 本件は,宮城県石巻港湾事務所発注の「平成23年度日和岸壁改良工事」で,大型船入港に対応した吃水を確保するための既設岸壁増深と,岸壁の嵩上げにより増加する主働土圧に対応するため,受働抵抗側の海側地盤を地盤改良(高圧噴射撹拌工法・OPTジェット工法)する工事である. 本稿では,ふ頭の供用を妨げず地盤改良ができる方法として,張出し式足場による施工を行ったこと,また,海上で高圧噴射撹拌を施工するための排泥回収システムを用いて高圧噴射撹拌工を施工した. その結果,大型貨物船の着岸を妨げることなく,岸壁補強工事を施工することができた.

 この方法は,港湾施設を供用しながら安全に施工でき,岸壁構造物などの耐震補強対策の多くの現場で適用できると考える.

図1
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図2:断面図
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平成25年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

谷埋め盛土の崩壊と対策工の有効性検証


受賞者:澤野幸輝(株式会社ネクスコ・エンジニアリング東北)
菊池慎司(株式会社ネクスコ・エンジニアリング東北)
大石 勝(株式会社ネクスコ・メンテナンス東北)
舘山和浩(東日本高速道路株式会社 横手管理事務所)
永井 宏(東日本高速道路株式会社 東北支社)

 高速道路の盛土は一般的に発生土を流用しているため,盛土材が一様ではなく盛土内に透水層と難透水層が不均質に分布している.また,谷埋め盛土は盛土内に水が流入しやすく,盛土体内の透水層を複雑に流下している推察する.本報告は谷埋め盛土区間の変状とその対策工の事例を基に対策工の有効性を検証し,谷埋め盛土の予防保全の観点から今後の対策工の方針について考察するものである.

 今回の検証から谷埋め盛土の安定性の向上に,盛土体の排水強化が有効であることが確認できた(図1,図2).また,対策工の施工後に追跡調査を実施し対策工の有効性の検証が重要である.一般的に土構造物における補修は事後対応で行われてきたが,様々な社会情勢の変化により,予防保全の観点からの盛土管理が求められている.盛土の崩壊や変状が生じた際は,恒久対策を見据えた応急対策を実施することで,手戻りの防止,復旧工事の効率化が図れるともの考える.

図1:のり尻改良による地下水低下
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図2:横ボーリング工による地下水低下
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平成25年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

秋田県における豪雨災害と路肩決壊の早期復旧について


受賞者:市川寿人(株式会社アイビック 秋田支店)
工藤 健(株式会社アイビック 秋田支店)

 平成25年8月9日に秋田県内陸部を襲った集中豪雨は,県北部や田沢湖周辺に時間雨量100mmを超える豪雨をもたらした.被災路線の一つ,県道西目屋二ツ井線は世界遺産白神山地への主要アクセス道であり,路肩決壊に対し早急な復旧工事が必要となった.

 当該被災箇所は,路肩部が決壊しガードレールの支柱が浮き,路肩側にはクラックも確認された.発注者からの「最短工期かつ二次災害防止」の要望に対し,「吹付枠工+鉄筋挿入工」を提案し,わずか15日間で安全に完成させることができた.

 本工法は,凹凸やカーブに沿った型枠の設置が可能であり,間詰工や法枠自体の嵩上げにより欠損した有効断面(路肩部)を吹付工法によって簡易に復元できる特徴を有している.また,地山への密着性や梁の連続性により耐震性にも優れ,今後もあらゆる斜面災害に対し,その効果が期待できるものと確信している.

図1:被災直後
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図2:復旧工事完成
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