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平成23年度 地盤工学会東北支部表彰

掲載日:2012年4月26日(木)
最終更新日:2012年5月9日(水)

 地盤工学会東北支部では,地盤工学に関する身近で地域に密着した事業・研究等を通じ, 会員の専門技術力の向上,調査・設計・施工等の効率化・レベルの向上, 地盤工学のPR・イメージ向上などに貢献した優れた業績を毎年度表彰しております.
 表彰候補の公募を行い,地盤工学フォーラムでの発表と 応募書類に基づき表彰委員会において審査を行い,受賞者を決定します. 例年4月頃に開催される東北支部総会で表彰式が行われ, 受賞者には表彰状と記念品が贈呈されます.
 平成23年度は,以下の通り授賞を行いました.その業績をここに紹介します.

平成23年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門)
  • 最優秀賞 2件
  • 支部賞  3件

(参考)歴代授賞業績・表彰規定等

平成23年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 最優秀賞

仙台周辺の造成宅地地盤図作成と東北地方太平洋沖地震における造成宅地の被害調査


受賞者:佐藤真吾(株式会社 復建技術コンサルタント)
南陽介(株式会社 復建技術コンサルタント)
栗谷将晴(株式会社 復建技術コンサルタント)
森友宏(東北大学 大学院工学研究科)

 仙台市周辺地域の造成宅地地盤図(切盛図)は,2001年度に仙台市全域と周辺地域を対象として縮尺1/25,000相当の精度で作成したのが最初である. 造成宅地地盤図とは,宅地造成による地形改変により生じた谷埋め盛土部分,切土部分を図示したものである. その後,2004年新潟県中越地震や2007年中越沖地震を経験し,社会的にも造成宅地地盤(谷埋め盛土)における耐震対策の重要性が高まったことを受け,2008年5月に約半分の区域を対象に縮尺1/2,500相当の精度で再作成を行い改訂した. その後,2009年10月には本地盤図を図書館に寄贈するとともに,一般市民への公開を行った.

 本造成宅地地盤図は,2011年東北地方太平洋沖地震で被害を受けた盛土造成地の復旧作業で大いに活躍した. これは,被災箇所を本地盤図上に重ねることで,谷埋め盛土造成地の被害であることが瞬時に判読できたためである. 従来では,原因究明までにボーリング調査等で多大な労力と時間を要していたが,本地盤図とその三次元データを活用することで盛土の分布や深さを瞬時に把握することができたため,その後の復旧作業を迅速に進めることが可能となった. また,同じ谷埋め盛土造成地でも,被害の発生したところと発生しなかったところが把握できたほか,1978年宮城県沖地震で被害にあった盛土造成地が2011年の地震でも同じ場所で再被害を受けていること等も判明した. このため,谷埋め盛土造成地と地震被害の関係の原因究明に本地盤図が積極的に活用されている. さらに,今回被害のなかった自治体では,被害想定の見直し作業において,仙台市周辺の谷埋め盛土造成地と2011年東北地方太平洋沖地震における被害の関係を基にした宅地造成地の被害想定を新たに取り入れる動きもあり,本宅地地盤図が今後のわが国の地震防災対策に大いに貢献することが期待される.

図1:縮尺1/25,000相当精度の造成宅地地盤図
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図2:2011年東北地方太平洋沖地震における仙台市南光台団地の地震被害調査事例
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平成23年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 最優秀賞

仙台空港滑走路耐震化事業における変位抑制のための施工管理


受賞者:諸星一信(国土交通省 東北地方整備局 塩釜港湾・空港整備事務所)
工藤英輝(国土交通省 東北地方整備局 塩釜港湾・空港整備事務所)
富沢秀夫(株式会社 不動テトラ 土木事業本部 工事部)
松本琢也(株式会社 不動テトラ 地盤事業本部 工事部)
安藤滋郎(株式会社 不動テトラ 地盤事業本部 技術部)

 仙台空港は,2008年度から本格的な耐震化工事が進められ,2009年度には滑走路の耐震化に着手した.

 耐震化工事の施工区域は,供用中の滑走路であり,空港運用時間外の夜間施工で翌朝の供用に支障がないように施工することが求められる,非常に厳しい施工条件のため,滑走路舗装面の変位が比較的少ない工法として,高圧撹拌噴射工法や薬液注入工法を採用した. また,事前に舗装変位量の管理値を設定し,日々の計測管理及び施工上の工夫により,舗装面の規定勾配を確保したことは,安全かつ安定した空港の運用に寄与した.

 さらに,2011年3月11日の東日本大震災においては,県道地下道部の耐震化が未対策であった誘導路部では,復旧までに約1ヶ月を要する大きな被災を受けたのに対して,事前に対策を実施したB滑走路部では,舗装クラックの応急復旧程度の軽微な被災に止まった. このことにより耐震化の効果が実証された.

図1
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写真1
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平成23年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

秋田車両センターにおける既設PC杭を活用した検修ピット(ガス噴出地盤に配慮した新設杭造成技術の開発・実施)


受賞者:三浦慎也(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所)
山ア裕史(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所)
大藤恭平(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所)

 JR秋田車両センターにおいて,車両の検査能力向上を目的に既存の線路をピット化(検査坑)する工事を行った.

 計画当初のボーリング調査時に完全支持杭の基盤となる砂礫層よりメタンガスが発生したことから,ガス発生に起因する新幹線安定輸送のリスクに配慮し,TBH杭を摩擦杭として造成する計画であった. その後,現地調査の結果,旧洗浄坑のPC杭(以下,既設杭)が健全な状態で土中に存置していることを確認した.

 そこで,さらなるメタンガス自噴のリスク対策およびコストダウンを目的として,既設杭を補強し有効利用する方法を開発した.

【開発事項】
  1. (1)既設杭頭部の発生曲げモーメントが制限値を超えるため,既設杭径より大径の一般構造用鋼管を既設杭外周に建込み,隙間を充填材により充填して,一体化補強する構造.
  2. (2)掘削排土・鋼管建込みを実現するための0.25m3バックホウをベースマシンとした掘削・建込み(中空式スパイラルオーガー)装置による掘削方法.
 以上により,工事は無事故で完了し,平成24年2月24日に本ピットは使用開始となった.

図1:杭頭部補強イメージ
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図2:施工機械の外観
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写真1:施工状況
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写真2:検査坑使用開始
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平成23年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

新潟火力発電所第5号系列新設工事における地盤改良と基礎設計について


受賞者:坂本克洋(東北電力株式会社 土木建築部)
坂井正孝(東北電力株式会社 盛岡技術センター)
川又伸幸(東北電力株式会社 長岡技術センター)

 新潟火力発電所は既設設備として4号機(昭和44年運転開始)が運転中である. 1,2,3号機は廃止済であり,今回,旧1,2号機跡地に第5号系列(出力:10.9万kW)を新設した. 主要機械基礎工事にあたり,地盤改良には静的締固め砂杭と事前混合処理工法を用い,基礎設計は既設基礎を考慮した設計を行うことにより有効活用し,合理化を図った. 5号系列は平成23年7月に営業運転を開始しており,震災後の貴重な電源として稼動している.

 地盤改良に用いた静的締固め砂杭工法の適用にあたり,旧基礎杭の引抜きによる地盤内の空隙率の大小に応じて施工エリアを三つに分類し,空隙分を割増して改良率を算定することで現場特性を反映した設計とした. また,従来の液状化判定に加え,改良地盤を砂杭と砂杭間地盤から成る複合地盤として扱う考え方や液状化指数を用いた判定フローを作成し,十分な改良効果を確認した.

 5-2号ボイラ・タービン基礎地盤には旧煙突基礎が残置されているが,この基礎について健全性を評価し有効活用することで撤去工事費を低減し経済性向上および工程短縮を図った. 基礎設計にあたっては,旧煙突基礎地盤も土層の一部とみなした地盤の変形係数を設定することで,実態を適切に反映した設計を行った.

図1:砂杭配置図
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図2:地層構成(5-1号)
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図3:地層構成(5-2号)
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平成23年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞

国道400号で発生した落石災害に対する対応


受賞者:箱ア秀(福島県 いわき建設事務所)
尾上秀司(応用地質株式会社 福島支店)
中居英樹(応用地質株式会社 東北支社)
久米啓介(応用地質株式会社 東北支社)
松村大志(応用地質株式会社 東北支社)

 平成22年5月に,国道400号の玉梨スノーシェッドの上部斜面で岩盤崩壊が発生し,落石によりスノーシェッドが破損した. 落石発生源はスノーシェッドから高さ約120mに位置し,滑落崖と急傾斜の落石経路には,多数の不安定岩塊 (最大径5m)が残存していた. そのため,国道400号は全面通行止めとなったが,冬季には唯一の交通路となるため,積雪前に応急対策工を施工し,スノーシェッド内で交通解放をする必要があった.

 本業務では,応急対策工と交通開放のために,動態観測モニタリングシステムを構築して観測するとともに,応急対策工の概略設計を行った. 観測システムは,閾値を越えると現地の警報器を作動させるとともに,携帯電話とインターネットを通じて警報メールを発信するi-SENSORを採用した. 計器は,施工の進捗に併せて種類や数を追加し,積雪時にも対応可能なセンサーを用いるなどの対応を行った. また,閾値を超えた際には現地確認を行ない,安全性を確認した.

 不安定岩塊のモニタリングでは,施工中の安全を図るため,警報の閾値を小さな値で開始し,警報発令時に現地の安全を確認し,協議を行いながら,閾値を安全範囲内で大きくした. その結果,警報発令による工事中断期間が減少した. また,落石到達範囲外に設置した工事用道路を,仮設落石防護工を併用して,一般車両の通行に用いるなど早期交通解放に努めた結果,積雪前にスノーシェッド内の全面交通解放を図ることができた.

図1
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図2
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