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平成21年度 地盤工学会東北支部表彰

掲載日:2010年4月8日(金)
最終更新日:2010年4月27日(火)

 地盤工学会東北支部では,地盤工学に関する身近で地域に密着した事業・研究等を通じ, 会員の専門技術力の向上,調査・設計・施工等の効率化・レベルの向上, 地盤工学のPR・イメージ向上などに貢献した優れた業績を毎年度表彰しております.
 表彰候補の公募を行い,地盤工学フォーラムでの発表と 応募書類に基づき表彰委員会において審査を行い,授賞者を決定します. 例年4月頃に開催される東北支部総会で表彰式が行われ, 授賞者には表彰状と記念品が贈呈されます.
 平成21年度は,以下の通り授賞を行いました.その業績をここに紹介します(順不同).

平成21年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門)
  • 最優秀賞 1件
  • 支部賞  3件

(参考)歴代の授賞業績・表彰規定等

平成21年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 最優秀賞
膨張性地山を通過する供用トンネルに発生した大規模変状の復旧と変状メカニズムの解析
−山形自動車道 盃山トンネル(上り線)−


受賞者:佐久間智(東日本高速道路株式会社 山形管理事務所)
鶴原敬久(応用地質株式会社 東北支社ジオテクニカルセンター)
遠藤祐司(アイサワ工業株式会社)
推薦者:鹿島幹男(東日本高速道路株式会社 東北支社長)

 平成20年8月13日の午後,山形自動車道の盃山トンネル(上り線)において,路面隆起が発生した. 変状は日々拡大し,1ヶ月半で最大950mmものインバート隆起が確認された. 供用中トンネルとして,これだけ急激な速度で変状を起こした事例は極めて少ない.

 変状が発生した区間の地質は,膨張性粘土鉱物(スメクタイト)を平均52%(最大94%)も含む熱水変質した流紋岩質凝灰岩である.

 復旧にあたり,変状した上り線トンネルを全面閉鎖し,並行する下り線トンネルを用いて対面通行させることで交通を確保した. 変状したインバートは撤去し,鋼製支保工・吹付けコンクリートと一体となったインバートを再構築して耐荷力を向上させた.

 インバート変状のメカニズムは,弾塑性モデルを用いて解析を行い,実測値と比較することで検証し, 周辺からの地下水等の供給による吸水膨張圧と地山劣化による塑性圧が,既設インバートの耐荷力を超過することで,インバートを破壊させたものと推察した. また,インバートの耐荷力評価を行い,復旧したインバートは変状したインバートに比べて2.5〜3.0倍の耐荷力を有していることを導きだすことにより, 対策工の効果を確認した.

 対策工を実施するにあたり,施工中の安全確保,対策工の効果確認のため,4時間毎ごとに継続計測を実施し, 昼夜連続作業により変状発生から約3.5ヶ月の短期間で完成させ,高速道路という重要なインフラを従前の機能に復旧することができた.

写真1:インバート変状状況


写真2:インバート復旧状況

平成21年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞
二方向同時推進工による地中送電線路の設計・施工


受賞者:渡辺和則(東北電力株式会社 仙台技術センター)
滝口清志(東北電力株式会社 仙台技術センター)
推薦者:田中雅順(東北電力株式会社 土木建築部長)

 宮城県の工業団地,大和リサーチパークへの電力供給のため実施した地中送電線路工事において,非常に厳しい工事工程の制約の下, 発進立坑用の工事用地が限定されたため,住宅団地内の非開削(推進工法)区間に国内で初めて「二方向同時推進工」を採用し, 1個所の立坑から二方向を同時に掘進することで5.5ヶ月の工期短縮を実現した.

 二方向同時推進工は,一方の推進反力により増加する地盤内の応力が,もう一方の推進管に作用することから, この影響予測を考慮して推進管の仕様を決定し,また推進反力と計測土圧をモニタリングしながら推進管理を行って施工した.

 計測土圧は,推進反力の影響予測値を下回ったことで,推進管に作用する影響を安全側に見て設計・施工することができたと評価され, 推進管や坑口壁においても変状は発生していない.

 本工事では,今後の地中電線路工事に貴重な実績を得るとともに,工期短縮のほか立坑や防音設備の省略などのコストダウンも期待できる.

 以上により,新幹線や在来線営業列車の走行に支障させることなく,平成18年9月に高架橋への切換工事を終了し,供用開始することができた.

 なお,これらの内容は,今後,同様な条件における事業の計画推進の参考になるものと考えられる.

図1:立坑平面図
図をクリックすると拡大します.


図2:グラフ
図をクリックすると拡大します.

写真1:施工写真

平成21年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞
道路線形に配慮し既設橋台を利用したこ道橋改築の設計施工(仙石線 磯崎こ道橋)


受賞者:佐藤 豊(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所 東北南課)
手塚 敏(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所 仙台工事区)
湊 卓也(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所 仙台工事区)
福島啓之(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所 工事管理室)
高木芳光(ジェイアール東日本コンサルタンツ株式会社 技術本部)
推薦者:藤森伸一(東日本旅客鉄道株式会社 東北工事事務所)

 磯崎こ道橋は,主要地方道奥松島・松島公園線とJR仙石線が交差する位置にあるこ道橋である.

 今回,こ道橋の改築により車道の他に歩道空間を新たに確保したもので, 現橋の中間橋脚を撤去しスパンを広げ,桁長20.6mの単純鋼下路桁に改築した. なお,下部工の基礎は場所打ち杭とし,A1橋台のく体は箱形鋼製エレメント(JESエレメント)による門型橋台とし, A2橋台は既設橋台を土留め代わりに利用してカンザシ桁を用いた門型パイルベント橋台とした.

 各橋台の施工上の特徴を以下に示す.

(1) JESエレメントを用いた門型橋台(A1橋台)の施工
 軌道への影響を考慮し,JESエレメントを鉛直方向に重ね,RC造のく体と接合する構造とした. エレメントの施工では,非開削工法であるHEP & JES工法を用い,土被り2m以内にあるエレメントについては夜間の列車が通らない時間帯で施工した. また,パラペットエレメントは,開削により事前に土嚢に置換え,土嚢の撤去と同時にエレメントを施工した.

(2) 門型パイルベント橋台(A2橋台)の施工
 当該箇所は作業ヤードの制約条件からJESエレメントのけん引が困難であったため, かんざし桁を用いた門型パイルベント橋台とした. なお,既設の橋台については,新設する橋台の施工に支障しないことから,存置して土留めとして利用している.

 以上により下部工を構築した後に,平成21年10月に新桁の架設が完了し,供用開始を迎えた.

図1:改築された磯崎こ道


図2:JESエレメントを用いた門型橋台 (A1)


図3:既設橋台を土留め利用した門型パイルベント橋台 (A2)

平成21年度 地盤工学会東北支部表彰(技術的業績部門) 支部賞
新第三紀鼠ヶ関層泥岩における変状対策


受賞者:花輪 守(鹿島建設株式会社)
西川幸一(鹿島建設株式会社)
乙竹俊彦(鹿島建設株式会社)
佐久間啓吾(鹿島建設株式会社)
田村 功(鹿島建設株式会社)
推薦者:赤沼聖吾(鹿島建設株式会社 東北支店長)

 温海トンネルは,日本海沿岸東北自動車道における総延長L=6,022mの山岳トンネルである. 地質は新第三紀系の堆積岩(泥岩)とそれに貫入している粗粒玄武岩で,掘削方法は発破工法である.

 南側TD1,190m付近からの新第三紀層泥岩の区間において, 吹付けコンクリート面のクラック,ロックボルト座金変形や破断,鋼アーチ支保工の座屈等の変状が発生したために下記対策工を行った.

 既施工区間の対策は,変状範囲の吹付けコンクリートを取り壊し,厚さを15cmから30cmに変更して再施工し,増しロックボルトにより補強を行った.

 未施工区間に関しては,計測工Bによる支保工応力測定結果と計測工Aによる変位率の実績から支保工に発生する軸力を推定し, それに対して十分な耐荷力を有する支保部材の組み合わせを採用した. なお,吹付けコンクリートは,強度の発現が早く,初期変位の抑制が期待できる高強度吹付けコンクリートとした.

 以上の対策の結果,トンネルの安定を保ち掘削を継続することができた.

写真1:切羽状況(新第三紀層泥岩)


写真2:吹付けコンクリート再施工

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